感じる存在感
松山ケンイチ/チョンジフン(Rain(ピ))2人の若き才能ある俳優/歌手を応援しています
2011.6.23記述
TOWERRECORD intoxicate vol.92 より

タワーレコード


原文はこちら
村上春樹のベスト・セラー小説を映画化した話題作『ノルウェイの森』が、早くもDVD&ブルーレイ化。フランスで育ったベトナム生まれのトラン・アン・ユンが監督をつとめ、サントラはレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手掛けるという国際色豊かな顔合わせのなか、主人公のワタナベを演じたのは松山ケンイチだ。亡くなった親友、キズキの彼女、直子(菊地凛子)と、同じ大学に通う緑(水原希子)の二人の女性の間で揺れ動くワタナベに、松山はどこか親近感を感じるところがあったらしい。

「撮影してたときは24歳だったんですけど、はっきりと大人かって言われたらそういうわけじゃなく、なんか流されてしまう自分というところもあって、そこが渡辺とすごく近いなって感じてたんです。渡辺って優しいし、愛で包み込もうというモチベーションとかすごく高い。その真っ直ぐな感じが、大人の前の段階っぽいなって」

そんなワタナベを演じるにあたって、原作よりくだけた感じの台詞にしようとした監督に対して、松山は原作に忠実な台詞を提案した。

「原作でも〈ワタナベの喋り方は特徴ある〉って緑が言ってるし、言葉の選び方自体が渡辺の特徴のような気がしていたので、あまり変えたくなかったんです。言葉遣いからワタナベの繊細さが伝わってくるというか。ワタナベは感情をそのまま言葉にのせけてないところがあって、少し一歩引いてるんですよね。冷静なのとはちょっと違うんですけど、ちょっと冷めてるというか。キズキが死んで以来、親友の積極的に人とコミニュケーションをとろうとしてないようなところがあるんです」

そうやって、松山は自分が思うワタナベをイメージしながら、監督と密接にやりとりをして、ワタナベというキャラクターを肉付けしていった。

「目の動きとか、仕草とか、そういった細かいところでも監督の演出がありました。撮影をした後に撮ったばかりの映像をモニターで一緒に見てみて、〈この目の動きがワタナベっぽくない〉とか〈でも、その後の表情はよかった〉とか、そういうふうに細かく演出したんです。細かい仕草からも人の品性みたいなものを感じることができると思うんですよね。繊細さや危うさ、ふわふわした感じとか、そういうところも監督は演出していました」

松山が監督の演出やスタイルについて語る時、よく出てくるのが「繊細」という言葉。確かに作品の隅々から、トラン・アン・ユンらしいリリシズムが滲み出ている。なかでも印象的なのは、監督が熱望したジョニー・グリーンウッドのサントラだ。

やっぱりそのシーンそのシーンの感情というか、心の動きみたいなものが音楽で表現されてるし、強調されている部分もたくさんあって。僕は〈痛み〉みたいな部分を音楽から強く感じましたね。音楽に限らず、トラン監督のやっていることって、映像のすべてを使って登場人物の心の動きを表現している。風景も色も、人間以上に感情表現しているというか。そういうところがすごいなと思っていたんです。ワタナベが感情を顔に出していなくても、音楽が痛々しかったり、風景が痛々しかったりすることで、渡辺の感情を描いているというか。そこが監督のすごいところで、今まで見たことない撮影方法だなって思いました」

そんな風に監督ならではのスタイルをリスペクトしつつ、共演者の菊池に対しては「モチベーションが高く、精神力の強い役者」、水原については「素直な表現が緑らしくて、原作より包容力のある緑になったと思う」とコメント。3人の演技が、しっかりとアンサンブルを奏でていたことが伝わってくる。思えば物語は様々な愛が重層的に重なり合って、時にはハーモニーを奏でたり、不協和音を生み出したりもする。そんな複雑なラヴストーリーに出演したことで、松山自身、愛について新たに感じたこともあったようだ。

「ワタナベみたいに100%愛情を注いだとしても救えないものがあるし、叶えられないこともある。それはしようがないというか。愛というのは、かけたらかけたぶんだけ何かが返ってくるものではないというのを、この映画を通じて感じましたね。この映画に出るまでは、愛し方ってひとつしかないっていうか、100%愛情を注ぐしかないと思ってたんです。でもこの映画を通じて、愛し方にいろんな形があることを知りました。それを知ったことで、自分も大人になったのかなって思います。でも、また歳を取ってからこの映画を見たら、違ったことに気付かされる気もして。そういう深さを持った作品だと思います」

見た人それぞれが、自分にとって大切な愛の形を見つけることができる映画。それが『ノルウェイの森』なのだ。

レンタルも開始されているので、沢山の人たちが借りてこの作品を気に入ってくれるといいんだけどなぁ…♪
(本当は購入していただいて是非特典映像など見ていただきたいんですけどね)

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