感じる存在感
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2012.1.10記述
2013.1.7夕刊読売新聞「本・よみうり堂」より

作家、夢枕獏さんの新作「宿神」(朝日新聞社出版)は、貴族社会の終わりを見詰めた歌人・西行を主人公にした歴史物語だ。同じ平安時代が舞台の『陰陽師』シリーズに通じる雅な幻想性の中に、日本人の精神の基盤にある、もののあわれや自然のすべてに神を見る心を浮かび上がらせている(佐藤憲一)

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作中に印象的な一文がある。
<日本人の、桜に対する感性のかなりの部分が"西行"という成分でできあがっている>。
それは、桜の華やかさを愛で、潔い散り際に滅びの美を見る我々の感性のこと。
「有名な『願わくば花のしたにて春死なん~』を始め、多くの桜の歌を残した西行が、日本人の桜好きに影響しているんじゃないかって、以前から気になっていた」

その感心が小説に結びついたのは、テレビの歴史番組に出演した際、「エリート武士であった西行が23歳で出家した理由が、高貴な年上の女性・待賢門院璋子への恋愛だったという説を知り、引かれたから」という。
 

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上皇の身辺警護を行う北面の武士、佐藤義清(のちの西行)と平清盛は同じ18歳で妙に馬の合う仲。
京の街中で因縁をつけられた軽業師兄妹を救うのだが…。

和歌も武芸も有能だが、璋子への禁断の恋に胸を焦がし出家してしまう西行と、政治の世界で権謀術数を巡らして平家一門の頭領としてのし上がってゆく清盛。2人の友情を軸に、「平安時代が最後に咲き誇った」院政の時代から、武家の支配へと移る激動の時代を描いてゆく。

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「美しい璋子も年を取るに従い容姿が衰え、権勢を失う。貴族社会の最後いの時代も、平家の天下を作り損ねた清盛も、いわば散りゆく桜だった」。その<滅ぶもの、消えてゆくもの、そういうものばかりを>愛してきた西行の目を通して、この世や人生のはかなさが、痛切に胸に迫ってくる。

全4巻に及ぶ大作は、新聞から雑誌へ連載を移し、6年がかりで完成させた。
「人間は愚かで、その愚かさごと愛さねば、生きてはゆけぬ。その言葉は60歳になったから初めて書けたんでしょうね」

(中略)

タイトルにもなった宿神は、「どこにでもあり、人間の悲しみや喜びに感応する精霊のような気配のこと」。その宿神が、歌を詠み、蹴鞠を蹴る西行や璋子の心の揺れと共鳴しざわめいて、芸術や芸能を高めてゆく。

「中沢新一さんに教わった、縄文的な神なんですよ。古い神社で、何の変哲もない石が祭られているのを見ると、『ああ、縄文だな』と思ってしまう」

是非、西行のスピンオフなども作って欲しいですよね。
完成するまでに6年かかったと言うこの作品。その時はまだ当然大河ドラマで「平清盛」を放送する事すら考えてなかったと思うんですよね。それがこうして年月がたち、連載が終わって本が出版されるこの絶妙なタイミング…

大河ドラマ「平清盛」の放送が終わり…この本の出版はなんだか清盛や西行に導かれたかのように清盛ロス真っ只中の私には感じずにはおられません。美しく生きたいと言った西行が実は滅ぶもの、消えてゆくものそういうものばかり愛してきたという夢枕さんのこの言葉におもわず「なるほど…」とみなさんも感じませんか?そういう目線で「平清盛」の西行を見るとまた違った感じがしてくるような気がします。

かなり気になる1冊です。(^O^)

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