主人公『平清盛』41~50回までの印象的な言葉を集めました。
(これ以外にも気になるセリフなどありましたらお気軽にコメントしてください)
【第43回】
「何とぞ、成親様の命ばかりはお助けくださりませ。」
「まかりならぬ。一度なれず二度までもこの平清盛を裏切った罪、死をもってしかあがなえぬ。」
「否!ただ、帝の御ため、国のため…平家一門のために言うておる。父上、何とぞ…何とぞ。」
「ようわかった。成親は、流罪としよう。」
「ありがとう…ござります。」
「そなたの望みどおり、流罪とした。流罪の地でどうなろうとわしの知った事ではない。」
「私はこれまで、つたないながらも、父上をお支えしてきたつもりです。」
「重盛。わしはさような話しをしに上洛したのではない。これより、洛中洛外の寺社に申しつけ、中宮様に皇子が授かるよう祈願致す。早うそなたも働け。」
「それが…。欠けていると仰せになりますか?平家の血の流れる皇子様…いや、帝を…。」
「重盛。聞こえなんだか?平家の棟梁ならば、黙ってわしの国づくりを支えよ。それがそなたのつとめじゃ。それだけが。」
「見よ。やはり、厳島の社の御利益は、てきめんじゃ。」
「殿。」
「時子がよそで100日祈ってもご懐妊なさらなかったものを、わしが厳島に月詣でを始めたところ、僅か60日でこの喜ばしい知らせ。皆々、男子のご誕生を祈るのだぞ。女子ではいかん!」
「ようやった、ようやった…徳子。」
「此度はおめでとうござります。」
「頼政殿。此度、そなたを三位に叙するを奏上し、お許しが出ましたぞ。ハッハハハ~。」
「殿がじきじき朝廷に願い出たのでござりまする。」
「機は熟した。」
「知ってのとおり、ついにわしは東宮の外祖父となった。またいつ何時、我らの勢いを面白う思わぬ者が現れ、法皇様に要らぬ事を、吹き込むやもしれぬ。かの鹿ケ谷の企ての如く。さような事を防ぐため、法皇様には、この館へお越し頂いてはどうかと考えておる。」
「それはすなわち、法住寺を攻めよと?」
「御所を攻めれば北面の武士どもと無用な争いとなる。速やかに兵を繰り出し、院を、お連れまいらせよ。」
「重盛。その姿は…何とした?」
「父上こそ、そのお姿は、何事にござりますか?」
「しばらくの間、法皇様にこの館へおいで頂こうと思うてな。」
「なんと、情けないお言葉。」
「人は運が傾き始めると、必ず悪事を思いつくものにござります。」
「これは悪事ではない。国づくりじゃ。」
「法皇様がおられてこその、国でござりましょう。」
「それはやってみねば分かるまい。この平清盛がやってみせてやると言うておるのじゃ。」
「重盛!いま一度言う。これはわしの国づくりじゃ。それを、阻むというのじゃな?平家の棟梁であるそなたが。我が子である…そなたが。」
【第42回】
「おかしい?」
「どこかあのお方のいつものやり口とは、違うような気がしてならぬのだ。」
「法皇様は、平家の武力をもって、山門を攻めよとの仰せ。」
「おそれながら、それではかえって法皇様のご威光が、地に落ちるおそれがござります。」
「何故じゃ?」
「明雲殿を捕縛、拷問流罪となさった事には、宮中にも不服の声が多いと聞き及びまする。もとより、明雲殿の罪状には確たる証拠もなし。これ以上、山門をいたぶるは得策ではござりませぬ。」
「ならぬ。今すぐ攻めよ。」
「近臣の子を流罪にされたお腹立ちから、子供じみたわがままを言うておられるのでは?」
「こどもじみたお戯れにしては、天台座主を拷問までなさるとは度が過ぎる。何か、裏があるような気がしてならぬ。」
「それはいささかお疑いが過ぎましょう。」
「やはり今は、少し法皇様の出方を探ろう。」
「此度の事…面目次第もござりませぬ。この頼政がおりながら、比叡山の武力に屈し、天台座主を奪われる辱め…」
「面を上げられよ。此度の事は、咎めるつもりなどない。頼政殿は、歌会、今様合わせなどでも、法皇様との間をお取次ぎ下された。いずれその事には報いるつもりじゃ。」
「似たような心地がするのじゃ。信西殿が、首をとられた夜と。ざわざわと、嫌なものが夜のしじまに息づいておる。さような心地がするのじゃ。」
「これは、成親様自ら取り寄せた宇治布にて作られたもの。出どころを確かめれば、すぐにも分かりましょう。」
「頭目は…誰じゃ?」
「西光殿。何が気に入りませぬ?宋銭を広めるにあたり、貴殿の力を仰ぎながら、2人のお子を流罪にした事にござりましょうか?ならば恨まれるは筋違い。すべては貴殿の敬うてやまぬ信西殿の国づくりのため、致し方のない事にござります。」
「我が主、信西の目指した国づくり?そなた如き者に、あの方の代わりがつとまると思うてか?聞こえたか?無頼の高平太。」
「どうやら、お分かり頂けぬようにござりますな。」
「全く…我が主、信西の先見の明よ。20年も前に、野良犬を朝廷に上げればこうなる事を見抜いておられた。平治の戦で、源義朝は我が主の首をとった。されど、もし、あの時義朝が兵を挙げなんだとしても、いずれそなたが、我が主を討っていたであろう。何となれば、そなたの国づくりは、志ではない。復讐だからじゃ!」
「復讐?」
「わしは、武士じゃ。武士の世を、つくるのじゃ。武士の世を!」
「父上!父上!もう、おやめくださりませ!父上!父上!もう、おやめくださりませ!父上!父上!」
「わかっておったことじゃ…我が主、信西が死した時、天は…この国を見捨てた。」
「洛中引き回しの上、朱雀大路にて…斬首せよ。」
「焼き捨てよ。」
【第41回】
「これら品々全て、厳島へ送るように手配せよ。厳島の社へ奉納し、中宮様のご懐妊を祈願するのじゃ。」
「承知つかまりました。」
「建春門院様亡き今、皇子様のお誕生は平家にとっても急務。早う生れてきて下さらねば困る。」
「こればかりは授かりものにて。」
「それでもじゃ!」
「法皇様の九の宮様、十の宮様の事にござります。」
「お二人とも、幼くして寺に入られ、いずれ僧になられるはずだが、いかがした?」
「法皇様が都に呼び戻され、帝の養子になさったと。」
「中宮様に皇子様が授からねば、そのいずれかを次の帝にとのお考えにござりましょうか。」
「他に考えられまい。だがそれは、中宮様をないがしろにする事であり、また王家をお支えしようとする、我ら平家の考えに反する事。」
「すぐに重盛を呼び、法皇様のもとへ向かわせろ。我ら平家の忠義に二心なき事、法皇様にくれぐれも申し上げるのじゃ。」
「明雲殿、叡山よりはるばる痛み入る。」
「来年の千僧供養の件にござりますな。」
「さよう。建春門院様が身まかれて後、はじめての千僧供養。盛大に催したいと思うてな。」
「あははははははは~。さような事はさせぬ。そもそも力を削ぐなどと…。我らを思うままにいまだ操れると思うておられるなら、片腹痛い事この上ない。明雲殿、いざという時には、お力を貸して下されましょうな?」
「いざという時?」
「法皇様のお力を、抑えねばならぬ。そう思うた時にござります。」
「ようこそ、おいで下さりました。亡き建春門院様の御ため、とりわけ盛大な千僧供養を、催す所存にござります。」
「滋子と共に、ここからあの海を見た。最後に訪れたは僅か1年前だというのに…。まるで幻のようじゃ。もう、ここへ来る事はあるまい。」
「盛国。いざという時。その時が…来たようじゃのう。」
「いえ、まこと私の不徳の・・・。」
「これで朝廷は比叡山の求めに応じざるをえまい。」
「もとより、鵜川寺の一件は、明雲殿とわしとで仕組んだ。延暦寺の末社である加賀白山に命じ、師経といさかいを起すようにとしむけたのじゃ。」
「何故そのような…」
「何故さような…?」
「師高、師経の流罪により、父である西光、そなたの力は削がれよう。」
「そして西光殿が力を削がれれば、法皇様も力を削がれる。」
「あやつは…平清盛は、わしの力を削ぎ、わしを退けて、この国を思うままに、操ろうとたくらんでおるのじゃ。」
「もとより父上は…法皇様をお助けまいらせるおつもりは、ないのでござりますか?平家の力を高め、王家をお支えしその先に…父上の、つくりた国というものが、あるとばかり思うておりました。違うのでござりまましょうか?」
「賽の目は、目まぐるしく変わるものぞ。」
「あがりじゃ。」
「何とぞ、成親様の命ばかりはお助けくださりませ。」
「まかりならぬ。一度なれず二度までもこの平清盛を裏切った罪、死をもってしかあがなえぬ。」
「否!ただ、帝の御ため、国のため…平家一門のために言うておる。父上、何とぞ…何とぞ。」
「ようわかった。成親は、流罪としよう。」
「ありがとう…ござります。」
「そなたの望みどおり、流罪とした。流罪の地でどうなろうとわしの知った事ではない。」
「私はこれまで、つたないながらも、父上をお支えしてきたつもりです。」
「重盛。わしはさような話しをしに上洛したのではない。これより、洛中洛外の寺社に申しつけ、中宮様に皇子が授かるよう祈願致す。早うそなたも働け。」
「それが…。欠けていると仰せになりますか?平家の血の流れる皇子様…いや、帝を…。」
「重盛。聞こえなんだか?平家の棟梁ならば、黙ってわしの国づくりを支えよ。それがそなたのつとめじゃ。それだけが。」
「見よ。やはり、厳島の社の御利益は、てきめんじゃ。」
「殿。」
「時子がよそで100日祈ってもご懐妊なさらなかったものを、わしが厳島に月詣でを始めたところ、僅か60日でこの喜ばしい知らせ。皆々、男子のご誕生を祈るのだぞ。女子ではいかん!」
「ようやった、ようやった…徳子。」
「此度はおめでとうござります。」
「頼政殿。此度、そなたを三位に叙するを奏上し、お許しが出ましたぞ。ハッハハハ~。」
「殿がじきじき朝廷に願い出たのでござりまする。」
「機は熟した。」
「知ってのとおり、ついにわしは東宮の外祖父となった。またいつ何時、我らの勢いを面白う思わぬ者が現れ、法皇様に要らぬ事を、吹き込むやもしれぬ。かの鹿ケ谷の企ての如く。さような事を防ぐため、法皇様には、この館へお越し頂いてはどうかと考えておる。」
「それはすなわち、法住寺を攻めよと?」
「御所を攻めれば北面の武士どもと無用な争いとなる。速やかに兵を繰り出し、院を、お連れまいらせよ。」
「重盛。その姿は…何とした?」
「父上こそ、そのお姿は、何事にござりますか?」
「しばらくの間、法皇様にこの館へおいで頂こうと思うてな。」
「なんと、情けないお言葉。」
「人は運が傾き始めると、必ず悪事を思いつくものにござります。」
「これは悪事ではない。国づくりじゃ。」
「法皇様がおられてこその、国でござりましょう。」
「それはやってみねば分かるまい。この平清盛がやってみせてやると言うておるのじゃ。」
「重盛!いま一度言う。これはわしの国づくりじゃ。それを、阻むというのじゃな?平家の棟梁であるそなたが。我が子である…そなたが。」
【第42回】
「おかしい?」
「どこかあのお方のいつものやり口とは、違うような気がしてならぬのだ。」
「法皇様は、平家の武力をもって、山門を攻めよとの仰せ。」
「おそれながら、それではかえって法皇様のご威光が、地に落ちるおそれがござります。」
「何故じゃ?」
「明雲殿を捕縛、拷問流罪となさった事には、宮中にも不服の声が多いと聞き及びまする。もとより、明雲殿の罪状には確たる証拠もなし。これ以上、山門をいたぶるは得策ではござりませぬ。」
「ならぬ。今すぐ攻めよ。」
「近臣の子を流罪にされたお腹立ちから、子供じみたわがままを言うておられるのでは?」
「こどもじみたお戯れにしては、天台座主を拷問までなさるとは度が過ぎる。何か、裏があるような気がしてならぬ。」
「それはいささかお疑いが過ぎましょう。」
「やはり今は、少し法皇様の出方を探ろう。」
「此度の事…面目次第もござりませぬ。この頼政がおりながら、比叡山の武力に屈し、天台座主を奪われる辱め…」
「面を上げられよ。此度の事は、咎めるつもりなどない。頼政殿は、歌会、今様合わせなどでも、法皇様との間をお取次ぎ下された。いずれその事には報いるつもりじゃ。」
「似たような心地がするのじゃ。信西殿が、首をとられた夜と。ざわざわと、嫌なものが夜のしじまに息づいておる。さような心地がするのじゃ。」
「これは、成親様自ら取り寄せた宇治布にて作られたもの。出どころを確かめれば、すぐにも分かりましょう。」
「頭目は…誰じゃ?」
「西光殿。何が気に入りませぬ?宋銭を広めるにあたり、貴殿の力を仰ぎながら、2人のお子を流罪にした事にござりましょうか?ならば恨まれるは筋違い。すべては貴殿の敬うてやまぬ信西殿の国づくりのため、致し方のない事にござります。」
「我が主、信西の目指した国づくり?そなた如き者に、あの方の代わりがつとまると思うてか?聞こえたか?無頼の高平太。」
「どうやら、お分かり頂けぬようにござりますな。」
「全く…我が主、信西の先見の明よ。20年も前に、野良犬を朝廷に上げればこうなる事を見抜いておられた。平治の戦で、源義朝は我が主の首をとった。されど、もし、あの時義朝が兵を挙げなんだとしても、いずれそなたが、我が主を討っていたであろう。何となれば、そなたの国づくりは、志ではない。復讐だからじゃ!」
「復讐?」
「わしは、武士じゃ。武士の世を、つくるのじゃ。武士の世を!」
「父上!父上!もう、おやめくださりませ!父上!父上!もう、おやめくださりませ!父上!父上!」
「わかっておったことじゃ…我が主、信西が死した時、天は…この国を見捨てた。」
「洛中引き回しの上、朱雀大路にて…斬首せよ。」
「焼き捨てよ。」
【第41回】
「これら品々全て、厳島へ送るように手配せよ。厳島の社へ奉納し、中宮様のご懐妊を祈願するのじゃ。」
「承知つかまりました。」
「建春門院様亡き今、皇子様のお誕生は平家にとっても急務。早う生れてきて下さらねば困る。」
「こればかりは授かりものにて。」
「それでもじゃ!」
「法皇様の九の宮様、十の宮様の事にござります。」
「お二人とも、幼くして寺に入られ、いずれ僧になられるはずだが、いかがした?」
「法皇様が都に呼び戻され、帝の養子になさったと。」
「中宮様に皇子様が授からねば、そのいずれかを次の帝にとのお考えにござりましょうか。」
「他に考えられまい。だがそれは、中宮様をないがしろにする事であり、また王家をお支えしようとする、我ら平家の考えに反する事。」
「すぐに重盛を呼び、法皇様のもとへ向かわせろ。我ら平家の忠義に二心なき事、法皇様にくれぐれも申し上げるのじゃ。」
「明雲殿、叡山よりはるばる痛み入る。」
「来年の千僧供養の件にござりますな。」
「さよう。建春門院様が身まかれて後、はじめての千僧供養。盛大に催したいと思うてな。」
「あははははははは~。さような事はさせぬ。そもそも力を削ぐなどと…。我らを思うままにいまだ操れると思うておられるなら、片腹痛い事この上ない。明雲殿、いざという時には、お力を貸して下されましょうな?」
「いざという時?」
「法皇様のお力を、抑えねばならぬ。そう思うた時にござります。」
「ようこそ、おいで下さりました。亡き建春門院様の御ため、とりわけ盛大な千僧供養を、催す所存にござります。」
「滋子と共に、ここからあの海を見た。最後に訪れたは僅か1年前だというのに…。まるで幻のようじゃ。もう、ここへ来る事はあるまい。」
「盛国。いざという時。その時が…来たようじゃのう。」
「いえ、まこと私の不徳の・・・。」
「これで朝廷は比叡山の求めに応じざるをえまい。」
「もとより、鵜川寺の一件は、明雲殿とわしとで仕組んだ。延暦寺の末社である加賀白山に命じ、師経といさかいを起すようにとしむけたのじゃ。」
「何故そのような…」
「何故さような…?」
「師高、師経の流罪により、父である西光、そなたの力は削がれよう。」
「そして西光殿が力を削がれれば、法皇様も力を削がれる。」
「あやつは…平清盛は、わしの力を削ぎ、わしを退けて、この国を思うままに、操ろうとたくらんでおるのじゃ。」
「もとより父上は…法皇様をお助けまいらせるおつもりは、ないのでござりますか?平家の力を高め、王家をお支えしその先に…父上の、つくりた国というものが、あるとばかり思うておりました。違うのでござりまましょうか?」
「賽の目は、目まぐるしく変わるものぞ。」
「あがりじゃ。」
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