感じる存在感
松山ケンイチ/チョンジフン(Rain(ピ))2人の若き才能ある俳優/歌手を応援しています
2016.9.17記述
Y!ニュースより


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『真田丸』が順調だ。これまで36話で平均視聴率は17%を超えている(ビデ オリサーチ調べ・関東600世帯)。

NHK大河ドラマは、1963年『花の生涯』から始まり、今回が55作目。視聴率で振り返ると10%台も時々あったが、20~30%台が一般的だった。例えば80年代後半は、『独眼竜政宗』の39.7%から『武田信玄』39.2%・『春日局』32.4%と、30%台が3作続くこともあった。

しかし以後は次第に下がり始め、20%台が稀になってきた。過去10年では、『篤姫』と『天地人』の他は、全て10%台に留まっている。しかも12年以降は15%にも届きにくくなっていた。その中にあって『真田丸』は5年ぶりに17%を超える高視聴率となっている。

満足度で見ても『真田丸』は近年まれにみる好成績。
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データニュース社は関東3000人に毎日テレビ視聴状況をアンケートで聞いているが、過去4作の中では『軍師官兵衛』が15%台に乗せると同時に、満足度も3.8%と比較的好成績だった。ところが『真田丸』は、11年の『江・姫たちの戦国』以来5年ぶりに17%台で推移し、満足度も3.98と断トツとなっている。ドラマの平均が3.6~3.7なので、3.98が如何に突出しているかがわかる(図)。

テレビ黎明期の時代劇

テレビ黎明期、映像メディアの王様は映画だった。しかも新参者のテレビに対し映画界は警戒感を露わにし、大手映画会社の作品はほとんど放送できなかった。しかも56年に東宝・松竹・大映・東映・新東宝は、「各映画会社専属俳優の出演も許可制」とするなどの5社協定でテレビの邪魔をした。

当時の邦画で最も幅を利かせていたのは時代劇だった。片岡千恵蔵・中村錦之助・大川橋蔵など大スターを抱えた東映は、毎年70本ほどの時代劇を制作した。60年に至っては100本に達し、全邦画収入の3分の1を稼ぎ出していたのである。

いっぽうテレビは、無名の俳優で対応した。テレビ初の時代劇「半七捕物帳」(NHK・53年)の主役は新国劇の中堅俳優だった。民放初の本格的時代劇「江戸の影法師」(KRT=現TBS・55年)も全く無名だった俳優を起用した。

その後も「白馬童子」(NET=現テレ朝・60年)、「新選組始末記」(KRT・61年)、「隠密剣士」(TBS・62年)と話題作が出るが、いずれも映画の時代劇とは一線を画すものだった。

テレビ時代劇、隆盛へ


5社協定の縛りが解けるきっかけは、NHKの大型時代劇「花の生涯」(63年)だった。「映画に負けないドラマを作って、日曜夜に視聴者を引き付けよう」という大号令で制作が始まった。松竹の二枚目スター佐田啓二を口説き、歌舞伎界の大物尾上松緑を主役に据えた。他にも演劇・映画を代表する顔ぶれを集め、世間をあっと言わせたのである。

この路線は翌年の第2作「赤穂浪士」で「大河ドラマ」と呼ばれるようになった。大映の重役スターだった長谷川一夫を担ぎ出し、歌舞伎や映画界から蒼々たる役者を集め、「空前絶後の配役」と言われた。平均視聴率31.9%、吉良邸討ち入りの回は53%と大成功をおさめた。

民放でも映画を凌ぐ挑戦が始まった。フジテレビ「三匹の侍」(63年)が第一歩。権力の横暴や悪者と闘うストーリーで、庶民の怒りを反映した物語。スピーディーな立ち回りと、音を活かしたリアルな演出は、映画関係者がショックを受けたという。演出の五社英雄は、この成功により映画監督を依頼されたほどだった。

テレビ時代劇が軌道に乗り始めた60年代、映画は凋落し始める。観客数10億人超が4年続いたピーク(57~60年)を経て、わずか6年で客足は3分の1にまで激減した。

この苦境の中、東映はNETに出資し、64年に東映京都テレビプロダクションを設立。時代劇のスタッフをテレビ界へ送り込んだ。かくして65年に「新選組血風録」「素浪人月影兵庫」が生まれ、「鬼平犯科帳」(69年)、「遠山の金さん捕物帳」(70年)などのヒット作につながって行った。

他にもフジの「銭形平次」(66年)、「大奥」(68年)。TBSの「水戸黄門」(69年)、「大岡越前」(70年)、東京12チャンネル(=現テレビ東京)の「大江戸捜査網」(70年)などの名作が生まれ、70年代にはテレビ時代劇の黄金期を迎えていた。

ターニングポイント


時代劇の黄金期には、新たな芽も出始めていた。最初の衝撃は「木枯らし紋次郎」(フジ・72年)。派手な殺陣はなく、リアルさを追求した結果、渡世人同士の喧嘩に近い殺陣を斬新なカメラワークで撮っていた。ニヒル・人間不信・孤独など、主人公も従来の時代劇にはない路線だった。

「必殺仕掛人(朝日放送・72年)」も新たな境地を切り開いた。武士の世界とは別に、金をもらって人を殺す裏稼業に光を当てた点が新しかった。必殺シリーズは、その後「必殺仕置人」「必殺仕事人」などに名を変え、何度もシリーズ化されるほど人気を博した。

時代劇黄金期の次の大きな変化は1981年。時代劇の“大型化”だった。1月2日、テレ東は12時間連続で「それからの武蔵」を放送。正月恒例12時間時代劇の始まりとなった。TBSは同日から3夜連続で「関ヶ原」を編成した。そしてフジは2時間ワイド1話完結の「時代劇スペシャル」を始めた。

それまでは1時間レギュラーが基本だったが、編成方針をメッセージとして放送する方向にテレビ界が移って行く中、時代劇も変わって行ったのである。

退潮期へ


ところが間もなく、時代劇は退潮期に向かった。フジの時代劇スペシャルも、スタート1年で視聴率は下がり始め、3年で姿を消した。18年888回続いた大川橋蔵の「銭形平次」も姿を消した。

中高年を主な視聴者とする時代劇は、明らかに視聴率を落として行った。80年代半ばに、フジは一旦時代劇枠を完全になくし、バラエティ・トレンディドラマ・「おにゃん子クラブ」など、若者偏重路線に走った。関西発時代劇として一時代を築いた「必殺シリーズ」(朝日放送)も、87年に終了を余儀なくされていた。

90年代に入ると、時代劇は一時期再び活況を呈するが、90年代後半に突然の大逆風が吹き荒れる。個人視聴率調査(PM=ピープルメーター)が導入されたからである。これにより、男女年層別で誰が番組を見ているかが分かるようになった。その結果時代劇の視聴層は、購買力が低くCMに影響を受けにくい高齢層が主であることが明らかになってしまったのである。

かくして各局は時代劇のシリーズ枠を廃止して行く。日テレは8時の一枠を97年に廃止。フジも8時枠を03年に一旦7時に移し、04年に完全に廃止した。テレ朝も99年に7時に移したが、06年に撤退となった。最後に残ったTBS「水戸黄門」も、11年末に幕を下ろしている。

もはや民放では、「JIN-仁-」や「信長協奏曲」のような奇抜な切り口を設けないと、時代劇はシリーズとして成立し難くなっている。最後に残ったNHK大河ドラマも、このところ視聴率は苦戦気味だった。一時代を築いた時代劇だが、最大公約数を基本とする地上波テレビでは、肩身の狭い思いをしていたのである。

来るか?新時代


こうしたテレビ時代劇の栄枯盛衰を経て、『真田丸』は新たな可能性を切り開いているように見える。

最大の勝因は三谷幸喜のシナリオだろう。ジェットコースターのようなスピード感と極端な展開。シリアスな状況に“ふざけすぎ”と思えるくらいなユーモラスな登場人物たちの言動。しかも形は時代劇だが、実態はコメディタッチな群像劇となっている点が新しい。主人公は基本的に真田信繁だが、父昌幸・上杉景勝・徳川家康・北条氏政・豊臣秀吉・石田三成・茶々など、毎回スポットライトを浴びる人は異なり、それぞれ役者が持ち味を存分に出している。これが高い視聴率と満足度につながり、しかも若年層にも今まで以上に届いている。

『真田丸』ほど大規模なドラマではないが、WOWOWの『ふたがしら』もテレビ時代劇の新たな波を起こそうとしているように見える。

去年6~7月に第1シリーズが放送された。愚直で熱血漢だが騙されやすい松山ケンイチ演ずる弁蔵と、沈着冷静かつ頭脳明晰な早乙女太一演ずる宗次の二人が、“脅さず殺さず、汚え金を根こそぎいただく”盗賊一味の“ふたがしら”になっている点が新しい。70~80年代に一世を風靡した『必殺シリーズ』に現代的に付加価値をつけた印象だ。

先述のデータニュース社の調査では、満足度4.15を記録していた。母集団が異なるので単純には比較できないが、3.98の『真田丸』に全く引けを取らない成績だ。視聴者からも「テンポが良い」「新鮮な時代劇」「見応えがある」などの声が寄せられていた。確かに時代劇的様式美と、クライマックスまでに見せる知恵と手際は、痛快エンターテインメントとしての新しさを感じさせる。

そして今日から始まる第2シリーズ。成宮寛貴演ずる残忍な甚三郎との対決と、大森南朋演ずる上昇志向の強い役人との駆け引きも、新たな付加価値として展開に注目したい。

現代人にとって時代劇は、様式やセリフなどで馴染みがない分、敬遠されやすいという欠点がある。特に若年層には、自分ごととの距離感がネックになっているかも知れない。しかし『真田丸』のように硬軟をとり混ぜた極端な展開は、見るものを強烈に引き付ける。また『ふたがしら』のように、様式美と生身の人間の感情との緊張関係は、逆に共感を呼びやすいという側面もある。

異なる要素のコラボで魅せる時代劇。どこまで新境地を切り開くのか、注目してみたい。


原文はこちら

「平清盛」も視聴率こそ悪かったけれど、満足度は高かったと思います。
「ふたがしら」はwowow初の時代劇にもかかわらず視聴率もよく、続編が作られて放送される。最高ですね。
さぁ、「ふたがしら2」も沢山の人たちに楽しんで満足してもらえるといいな。

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