感じる存在感
松山ケンイチ/チョンジフン(Rain(ピ))2人の若き才能ある俳優/歌手を応援しています
鑑賞記録
1回目 2016.11.19
2回目 2016.11.24
3回目 2016.12.1
4回目 2016.12.7
5回目 2016.12.18
6回目    2017.1.18
7回目    2017.3.5


前田アパート前002-001  


待ちに待った「聖の青春」。時間がある限り何度も観たいと思っております。
ヤフーのレビューの評価は??だけど、Twitterやその他のレビューサイトの満足度はかなり高いみたいで、なかなか面白い評価ですね。確かに、原作をこよなく愛する人にとっては、感想は様々なのかもしれません。

どうしても2時間という制限の中で、村山さんの壮絶な人生を、どう切り取るのか、本当に難しかったと思います。
でも、その中で最後の4年間にスポットを当てて、いろんなエピソードを削ぎ落しながらも、過酷な状況の中でも短い青春を謳歌し、そして闘う村山聖の姿を描いてくれている。

単なる、難病を抱えながら、棋士として生きた青年の、お涙頂戴作品ではなく、病気だったからこそ将棋と出会い、いつ訪れるのかわからない死を常に意識しながらも、名人になるという生きる希望と目標を持ち続け、将棋の対局という戦場に挑み続けたすごい人だったということを丁寧に作られていたと思います。

対局シーン、映像を見てるだけだと静かで、動きも特にないんだけど、もう自分の脳内の中では息苦しくなるくらいの血塗れの戦いに見えてくるのです。そして「負けたくない…」という声がずっと対局中、お互いの姿を通して聞こえてきます。将棋の棋士たちの見えない殺し合いの凄まじさを改めて、感じる今日この頃だったりします。

特に最後の対局のシーン、「痛恨の落手」をした後、その前からすでに涙こらえる(でも流れてくるのでハンカチで必死で汗のように拭く東出さん)羽生さん、そして自分の指した駒が、落手だと感じたときの村山さんはもう、松山ケンイチの感情そのものでした。「負けました…」その瞬間、ケンちゃんの目から涙が流れてきて、何とも言えない表情になって…まさにバッサリと全身斬られ、血塗れでとどめを刺されたように見えました。でも斬る方の相手も、とても苦しんでいることが感じられる、何とも言えないとても素晴らしいシーンでした。






ファーストシーン、桜が舞い散る綺麗なシーンなのに、粗大ごみの隣にへたり込んでいる聖。なんだか桜の儚さと、これから始まる聖の命の儚さがオーバーラップするシーン。綺麗なのに切なくなる気持ち。そして顔面蒼白な表情はすごいです。と、ここに三谷工業のおっちゃんが登場。まぁ将棋会館への道筋は…なんでこの道から行く?とおもいつつ…(笑)この桜って、CGなのかな?

将棋会館のシーンも、あれだけふらふらして自分一人で歩けないような状態なのに、着席して駒を持った途端、あれだけ青白かった顔色に赤みが増してきて、そして何より、息をするのも苦しそうなのに大切に駒を扱う聖の姿。そりゃ、おっちゃんも戸惑うよね。そして奨励会の人たちの黙々と将棋を指している姿に「あの兄ちゃんなにもんだ?」と言いたくなるよね。

対局と和太鼓の音が、心臓の鼓動と、対局してる緊張感、駒音などのイメージととてもマッチングしていました。
自分の昇段祝いの日なのに、何事もないように好きな少女漫画に夢中な聖。とてもチャーミングです(笑)一見、乱雑な部屋。健康な人からすると、お風呂もあまり入らない、髪も洗わない、部屋も掃除しないとなると、どんだけずぼらなんだと言いたくもなるかもしれないけれど、体が不自由だと、一つ一つの動きをするということがどれだけ大変なのかって五体満足だとなかなかわからないものです。聖もきっと好きでああいう生活をしていたわけではないと思います(原作にも師匠に「僕汚いですか」と言ってる頃がありました)。ちょっとしたことに凄く体力を消耗してしまう、きっとジレンマを感じながら生活していたんじゃないかと思います。

今回の作品で、なんというか…聖の何気ない(というのか?)時の表情が結構好きで、漫画を読んで「ふふっ」と笑ったり、後半でがんが見つかって手術前検査に来なくて留守電を消して寝ているときの口の動きとか(自分も風邪とか病気で寝てる時、時々いいするのもしんどくてため息のような何とも言えず口を鳴らしたり、ため息のようなものが出たりすることがあるなぁなんて思いながら見ておりました。本当にこういう部分がケンちゃんは絶妙なんですよねぇ。)、羽生先生との対局でトイレから出てきて腰を抑えながら苦しみながら口をブルブル鳴らしたりするシーン。

「リバー・ランズ・スルー・イット」、「網走番外地」などのビデオテープもありましたね。ライブビデオみたいなのもあったけどあれはお気に入りのグループのやつかな?(などか読み取ろうとチャレンジしたんだけど…)

あと、昇段のお祝いのスピーチのシーンのあのしゃべった感じ(「まぁ」という感じ)や手の動き、首を動かしたり、頭をポリポリするしぐさなど、本当にケンちゃんよく研究してるなと思いました。もう村山聖九段そのものだなって。

あえて、子供の頃のシーンも将棋とのファーストコンタクトや将棋で負けて悔しがるシーンだけにして、同室の子供たちが死んでいくシーンなどは見せない演出(シナリオではあったようです)そして、羽生先生との最初の対局シーン、朝から始まり深夜まで続く時間の経過を何気ない日常の風景と将棋の対局の異質な空間の対比を、聖の住んでいる将棋会館周辺の景色(昼前の駅の風景、、更科食堂で昼食を食べるサラリーマンたち、学校帰りの高校生たち、夕食の買い物をしている主婦たち)で表現しているのは、賛否がありますがとても丁寧で効果的だなと思いました。

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みんなの笑顔の半面で将棋会館の一室では静かな中にも恐ろしい程の戦いが繰り広げられているんですものね。
森先生の心配的中で、羽生さんとの対局に聖は負けてしまいました。
翌日も負けたショックと疲労で寝込んでしまった聖。公園からは子供たちの声が聞こえる
きっと水道の音と同じように公園の子供たちの声も彼にとって生きてる実感を感じられるものだったんじゃないかな。

夜になると熱も上がって、森先生と江川君が様子を見に来ていますが、突然、「東京に行きます」と。本当はそれまでいろんなことがあってからの東京なんだけどね。森先生の後押しもあって俄然頑張らねばって起き上がり食事をしようとするけど、江川君牛丼違うお店の物を買ってきちゃったみたいで「牛丼は吉野家じゃないと意味がないんです…ね、先生」と振られた先生は本当にニコニコして「そうやな」って。リリーさんの森師匠本当に聖に対しての愛情をとても感じられます。

そして引越しの手伝いはお母さんと師匠がしてる(笑)ボロボロになった将棋の駒を今も大切にしてる聖。この駒は実際、村山聖九段が将棋と出会ったきっかけの実物を使用されています。
封筒に入ったまま無造作に置かれていた対局料…って100万近くあるやん!Σ( ̄□ ̄|||)

そして羽生と戦うために東京へ向かう聖。
まずは家探し。橋口さんが見繕った物件を回るんだけど、一軒目間取りは申し分なくてまんざらでもない表情の聖なんだけど、ふと窓の外を見た瞬間のあの表情(笑)「お墓は嫌です」だよねぇ。健康な人だったらいざ知らず一番敏感な問題だものね彼にとっては。そして気に入った物件が見つかったけど、橋口さんから「ココは女性が住むところだな」と言われても「住めば似合ってきますよ」と言って決定…

東京マンション001


でも、部屋は広くなったけど、結局前田アパートと変化してないじゃない⁉(笑)より、荷物が増えてるだけど?
布団周りの物は前田の時と変わらない絶対領域(笑)でも大満足な聖。満足で思わずゲップも出るわな~。
将棋会館の中で棋士たちが集まって研究などをする「桂の間」へ入ると若い奨励会員の子たちが対局の検討中。
西の村山が突然やってきたもんだから、どう対応していいのかわからず困っています。見たらあかんもん見たみたいな対応(笑)
聖も話しかけたくてもきっかけも見つけられないのでチラチラ様子を見るけどお互いなんだか気まずいムードが…(笑)

時間が経って、桂の間にはいつのまにかたくさんの棋士の人たちがテレビモニターに映る対局の盤面を研究しています。奨励会員のところには滝先生と荒崎さんが参加して詰むや詰まざるかと言っておりますがなかなか結論が出ません。橘先生が聖にどう思う?と尋ねるけど、聖は答えない。そんな態度に荒崎さんが声を荒げますがそれに対して「詰みます」の一言だけ。挙句に「あのさ…どうやったら詰まないの?」このセリフは待ってましたという感じでした(^O^)。

夜、BARで橘先生、荒崎さんと聖が飲んでおりますが、聖さん赤ワインをかなり飲んでいるようです。映画では結構無茶な部分を出していますが、決していつもそんなことばかりしていたわけではないんですよ実際。食事にしても行きつけの「更科食堂」に行ってもお店の人に「味を薄くしてほしい」とか気を付けていたし、ネフローゼの通院も定期的にしていました。でもそんなことばかりの人生って寂しいよね。時には羽目を外したいときもあるよ。そのささやかな楽しみのシーンを映画の中ではより前面に出して見せてくれたという感じですかね?

酔った聖は東京に来た感想をあれこれ言う。うどんがまずい、人が冷たい、桂の間でも橘先生が声かけてくれるまで誰も話しかけてくれなかったとかね。ちょっとかわいい(笑)そんな聖にイライラする荒崎さん。そして自分が東京に来たのは羽生さんに勝つためで、1日でも早く勝って名人になること。でもその本位がわからない2人は「そんなに急がなくても若いんだし」と言われ、荒崎に「橘先生に失礼だろう」といった後、それまで標準語で会話していたのが突然

「わりゃー、アホじゃのう…ほんまアホじゃのう。将棋は殺し合いじゃろが。将棋指の人生はそれがすべてじゃろうが」

ってこの言葉、すごい重いし、実際恐ろしい程にそう見えてくるんです。このセリフを広島弁でいう聖にゾクゾクしました。席を外してトイレに向かっている間に奨励会員がやってきて、聖の言う通り詰んだと報告。「終盤は村山に聞けか…」そのあとトイレから戻り荒崎にまたちょっかい掛け「荒崎さん、あなたに勝ってもただの一勝」この時の手つきが本当にいちびっていますよね。でも腕を払いのけた勢いでそのまま倒れてしまった聖。

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シナリオではこの後の展開をバッサリカットされていますが、最初はこの後お金のやり取り(割り勘にこだわる聖)があり、そして倒れて、困りながらも荒崎さんが病院に同行して原作でもある聖のカバンから小説を出して読む。メモを見つけみると…という荒崎さんと聖の関係性が描かれるはずでした。これは見てみたかったなぁ…

そんな感じで、本格的に東京での生活を始める聖。ある対局(棋王と棋聖だっけ?)聖は荒崎とそして隣では羽生さんが対局しています。必死で考えている荒崎さんだけど「…強いな…」という聖の声に顔を上げると、聖は自分の対局よりも完全に隣の羽生さんの対局に見入ってるぅ!!!これは悔しい、頑張って次の一手を打つけれど、秒速で返されまた羽生さんの方を見てる。これは悔しいよね。そして先に終わった羽生さんたちの感想戦を耳ダンボにして聞いてる聖(笑)荒崎さん若干かわいそう。そしてこの時期の聖はかなり髪も髭もぼさぼさ状態(笑)

そんな対局の後、帰宅する羽生さんの後ろをトレンチコートを着て後を付ける聖(笑)メチャ怪しいよ~でも可愛いよぉ~(笑)。探偵気取りなの(聖さんは推理小説が好きだったから)?そんな妙な雰囲気を背後に感じて、羽生さんが立ち止まり振り返ると、隠れる場所がないので、オロオロする聖の姿を見て、再び歩き出すんだけど、やっぱついてくるから、再び立ち止まり、振り返る。「ぼん(お坊さん)さんが屁をこいた(だるまさんが転んだ)」状態やん聖さん。もう表情が完全に乙女と化してるよ~。軽く会釈しあう二人、そして羽生さんは帰路につきます。そんな自分に「はぁ~、何やってんだ俺?」と言わんばかりの聖。頭ポリポリ掻きながら仕方なく帰路につく。あまりにキュートすぎるシーンですよね。どんだけ羽生さんのこと好きなんだよぉって。

王将戦、谷川VS羽生、一瞬で羽生さんの勝利となりましたが、谷口さんの役を野間口さんが演じられていましたね(笑)その対局のニュースを自宅のテレビで対局の勉強をしながら観てる聖さん。嬉しくもあり、そして羨ましくもあり、そしてますます頑張ろうというような表情をしていますね。背中からチラ見えの肌にドキドキ(笑)やっぱかなり体の変化を感じさせてくれますね。

将棋世界の編集部、橋口さんが羽生さんと聖さんの記事を編集している最中…突然、「うぉおおお!」と荒崎さんの叫び声が。
スポーツ新聞の一面に羽生さんがアイドルの畠田理恵さんとの結婚記事が。(笑)メチャうろたえています。「ファンだったのに」って(笑)ちょうどそこへ、羽生さんが挨拶して通り過ぎていきました(笑

東京での生活も馴染んできたのか、若い奨励会員たちも気さくに聖さんと対局の解説などを聞いております。とても楽しそうな聖さん、時々持参のお菓子をみんなに勧めたりしてね。この時(何とか登場しますが)のパーカー?当時実際着ていたものとよく似てますね。衣装さんナイスですね。夜は棋士仲間と麻雀を楽しんだりしております。

ここに、知人がエキストラで出演しているのです(笑)雀荘の店の人、聖さんの後ろで働いている女性。最初の数回はそちらに目が行って聖さんの様子が観れなくてね(汗)そしてある日は、橘先生とデパートに行って、派手なアロハを買ってもらいご満悦。(これは実話で、本当に嬉しかったみたいですね)またある日は、荒崎さんの新車でマンションまで送ってもらったのはいいけれど、車の中で嘔吐してしまい、荒崎さんの新車が大変なことに。でもそんなことお構いなしに「もうこの車には、二度と乗らないから、僕は大丈夫です」ってあーた(>0<)これは佐藤康光先生とのエピソードで、実際は後部座席だったんですけどね(脚本も当初はそうだったみたいですけど、演出で助手席に変更されたみたいですね)

そして、羽生さん、聖さんそれぞれ対局に向き合う日々。太鼓の音が緊迫感とそれぞれの表情をうまく見せてくれていますよね。
そんなある日、将棋会館に向かう途中、突然聖さんが倒れてしまったΣ( ̄□ ̄|||)誰が救急車呼んだのかな?あの前から歩いてきていた女性かな?(だったらいいんだけど)

医師から告げられたのは進行性の膀胱がん。すぐに摘出手術が必要で、ほかにも片方の腎臓もすでに機能してないみたいで先生になんでもっと早く診せなかったと言われて「いろいろと…」なんてごまかしているけど、これは実際は血尿が出ていたので心配して病院などで診てもらったりしていたけど、そこではわからなかったんだよね。気になりつつ、ちゃんとした診断をしてもらえず、それでも気になって、大きな病院で診察してもらって、ようやく膀胱がんだということがわかったんですよね。決して聖さんが不摂生していたわけではないんですけどね。

これは作品全般的に言えるけれど、原作を知らないと聖さんが好き勝手なもの食べまくり、不摂生をしまくってるように感じるけれど、それは実際は彼の人生からすると本当にささやかな楽しみでしかなく、普段は行きつけの福島食堂などでも注文時には、塩分少な目(味薄目)でと注文していたり、ちゃんと定期的にネフローゼの方の診察も受けていたんですよ。

癌の告知を受けた時、どう感じたんだろう…先生に「やせ我慢はやめなさい。見てるのがつらい。そうしてるのもやっとでしょ」と言われ、必死で感情をコントロールしてる聖さんの表情が本当に辛いです。(T_T)

そして、すぐ対局。それも相手は橘先生。橘先生もこの勝負を落としてしまうとA級陥落の崖っぷち。桂の間でその様子をモニターで見てる橋口さんが聖さんの様子がおかしいことに気が付いてます。橘先生に容赦ないくらいに追い込みをかけています。そして、「負けました」と言ったのはいいけれど、「感想戦はなしで」と言ったことに誤解して「つまらない将棋に付き合わせてしまった」という橘先生。嫌そうじゃないよ。橘先生にそんな将棋をさせてしまった事も含め、それ以上に今の聖さんは自分の体に起こっている現実を受け入れようと必死にもがいているんです。でもそんなこと誰も知らないからね。スクリーンで見てる私たちがつらくて苦しくてもどかしい気持ちになりました。

橘先生との他局のシーン、橘先生役の安田さんの駒音が寂しい感じで「パチン、パチン」と鳴ってるんですよね。聖さんは告知された現実と向き合おうとするような駒音がしました。

森先生の自宅にも聖さん関連のFAXが送られてくるんけど、あまりの聖さんの勝敗結果がいいので反対に心配する森先生。聖さんのところに電話するけど出てこない…。聖さんは寝込んでいます。電話が鳴り大学病院から検査予約の日が過ぎてるのに来ないと催促の電話。即、メッセージを消去。トイレまでもいけないのペットボトルを使うけど、真っ赤な血尿…やはりこれは現実。再び布団に入る聖さんのこの時のため息と、ムニャムニャと口を動かすしぐさ、しんどい時ってそんな感じになるよねと妙に共感しました(汗)

大阪にやって来ました。懐かしい食堂、前田アパートや公園をブラブラ…古本屋さんにも顔を出すと店員の女の子が懐かしそうに声かけてくれた。でも、そんな活き活きした彼女を見てるな辛いのか早々に出て行ってしまった。将棋会館のそばで江川に声を掛けられる。

将棋会館の控室で江川と聖さんが将棋の手合わせしてる。江河からなぜ将棋をしているんだと聞かれるけど、うまく答えられない。江川もすでに崖っぷちで明日の三段リーグで負けると奨励会を去らないといけない。聖さんが自分の為に大阪まで来てくれたと思っている江川だけど、多分、1人でいること、東京にいることがちょっとしんどかったのかもしれないね。本当は江川君の話を聞いているのも辛いと思う。そういう思いも込めてきっと「大丈夫ですよ。人間誰でもいつかは死にますから。そんなことより、僕たちが今考えなきゃいけないのは目の前の一手です」

そして三段リーグ開始。江川君の対局相手は中学生みたいですね。しかし突然、江川君鼻血が…必死でティッシュを探すけどなかなか出てこない。対局相手がさりげなくポケットティッシュをくれました。もう、リアルに血塗れになりながら頑張る江川君だけど山盛りのティッシュと共に江川君の将棋生命は終わりました。この時の江川のこの世の終わりみたいな表情…

そして、森先生と江川君がエレベーターから出るとそこに聖さんがいました。3人でスナックへ。
江川君はなんやかんやと言いながら、本当の気持ちごまかしてあえて気丈にふるまっていますが、それがどうも気に入らない聖さんなのです。わざとワイングラスを倒してこぼしたりするし、挙句に森先生にまで嫌味なことを言い出すし…森先生は何かあったのかと思いつつもいつも通りに対応していますが、江川は聖さんに「そんな言い方はないでしょう」と言い返すと「うるさい。お前は今日死んだんや。負け犬は黙っとけ」と言っちゃいます。一触即発なムード。森先生必死にその場をおさめようと頑張ってます。

お店を出て森先生が出てきたら聖さんは自分が飲んだ分を支払うと頑として言い張り、突然お札を破り始めました。生きてる人間には必要かもしれないけど、死んでいくものには何の意味もないって。もう黙って見ていられない江川がキレちゃいました。

「俺かて、俺かてな、命かけててんぞ」
「お前のどこが命かけてたんじゃ!第二の人生?そんなもん、負け犬の遠吠えじゃ!スッカスカの人生じゃ!」

思わず江川が聖さんを殴り飛ばしちゃいました。森先生も慌てて聖さんを起き上がらせようとしますが

「僕には時間がない…勝ちたいんじゃ!勝って名人になるんじゃ」

江川に殴りかかるけど、殴り慣れてないし全然へなちょこ。でも、この言葉の重み、これこそ今の彼の本当の気持ち、でもその本当の意味をまだ誰もわからない。そのまま倒れちゃった聖さん。江川も聖さんに言われたことって痛い程わかってるし、だから自分に納得させるためにあんなこと言っていたんだし、聖さんも本当はそんな事わかっていたのに、今の彼の体の事を思うと…

本当ならこの後シナリオでは森先生と聖さんがタクシーに乗ってるシーンがあって、泣きながら「江川君とこのまま終わりにしたくない…これからも飲みに行きたい」と言ってて、森先生もそんな聖さんの頭をなでてくれていたと。編集でカットしたみたいです。(撮影はしたみたいですよ。スチール写真でそのシーンありましたから)

羽生先生とのタイトルをかけた勝負。大盤解説にえりりんこと山口江梨子女流棋士が本人名で登場(まぁ、ご愛嬌ということで)見えないところで苦しんでいる聖さんが見るに忍びない…。
でもこの勝負、見てる方ドキドキ。夜になっって庭のライトがパッと点いて綺麗。そして2人とも集中してる姿はかっこいい。そして聖さんが1勝しましたね。

その後の飲み会、座を離れる聖さん、トイレで羽生先生にお酒のお誘いする聖さんはこれまたデートに誘う乙女のようです(笑)
この「よしのや」って実際にあるお店なんですよね。聖さん羽生さんに「知らないりしてくれる」みたいなこと言いながら「サインください」と羽生先生に店主が言った時の、聖さんのバツ悪そうな表情(笑)

お互いの趣味について語るけど、ことごとく意見が合わない2人(笑)
そんななかで、聖さん夢を羽生先生に話すシーン。本当はこれは先崎先生に話した言葉だけど、あえて映画では羽生先生に話しています。どこまでも切ない「死ぬまでに一度は女を抱いてみたな」この時の羽生先生の複雑な表情、でもその後の将棋についての会話。切ないけれど純粋で、2人にしかわからない世界があって、本当なら言わない言葉を作品に込めてますね。

二人にしか見えない世界…行けたのかな…2人で。シナリオだったらこの後、羽生先生にとって、ショッキングなシーンがあったんですけどあえて、カットしたようです。

みんなで聖さんの病状に関して聞いているシーン。「麻酔なしで手術してください」「…いや、無理でしょう。」このシーンのやり取り好きです。お母さまの気持ちを思うと複雑ですよね。

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桂の間でのシーン。「いい日なんてないんだよ」冗談のように言いながら悲しい。
どんどん具合悪くなっていく姿辛いよね。

食堂でのシーン、パニックでトイレで騒いでる、このシーンだけで体重が3キロぐらい減って、監督から「太れ」と言われ大変だったそうです。ちょっと動くだけで、すぐ体重が減っちゃったらしいです。だから、苦しみながら食べてたそうです。

結局、手術を受けた聖さん。自宅で療養中、尿のパックと手術の傷が痛々しいけれど、お父さんとの会話のシーンは普通の父と子という関係が感じられていいシーンですよね。

海辺を歩くシーン。この時も顔が痩せてますよね。撮影大変だったみたいですね。台詞はないけど好きなシーンの一つです。
お父さんは家族旅行の計画を考えてるけど、聖さんはやはり、将棋のことで頭がいっぱい。爪と髪を切り、次の対局のために準備をしています。そんな音で目が覚めるご両親。いたたまれないお母さまを止めるお父さま。息子が命を削ってまで将棋をする意味を辛くても見守るしかできないご両親。

そして、対局へ。森先生がタクシーから降りる聖さんのさりげなくボディタッチが優しいし、荒崎さんたちにジョークをいう聖さんに、少しホッとしてる橘先生と荒崎さん。

羽生先生との最後の対局が始まりました。この時の聖さんの出で立ち、NHK杯の最後の対局とそっくりですよね。夕食休憩のシーンもシナリオと少し変えたようですね。そしてこれからあの、長回しのシーンを撮影が始まります。

見ててドキドキ、2人の気迫が凄すぎて。本当に見えない太刀を振りかざしあってるように見えて。そしここで、あのよしのやでの会話のシーンが再度出てきます。この時の2人は将棋を指しながら会話をして、そして2人で深いところへ潜っていこうとしてるんですね。

最初はこの対局の時だけ使い予定だったけれど、対局シーンが散漫になると思ったからあえて、最初にも流したと。
もう、途中から完全に東出さんは泣いちゃってるし…

完全に、村山聖と羽生善治ではなく、松山ケンイチと東出昌大として2人がどう感じながらこの対局をしていたのかという思いがあふれて、2人とも泣きながら駒を指していましたね。

落手を差した瞬間以降の聖さんの表情、そして容赦なく勝つ羽生先生の表情。勝っても負けても苦しい勝負。2人の涙に与頑張りましたと言いたいです。

そしてなにより、普通なら臨終シーンを見せるところなんだろうけどの作品ではあえて直前までにしているところが、私は良かったなと思っています。あえて森先生を通して聖さんの死んだことを伝える。結構長回しでケンちゃん苦しかったでしょうね(笑)

本当に、羽生先生は人間としても素晴らし人ですよね。
江川君も将棋世界の編集の仕事をしています。自転車を打と止めてみた先にいるのは将棋会館を見てる村山聖さんの姿が…

この作品が公開された後、藤井四段のデビューと華々しい勝利やその他、将棋の世界も変化していっています。もし、村山聖さんが生きておられたら、どんな将棋をして、どんな人生を歩んでいただろう。ひょっとすると、すでに生まれ変わって将棋をするため頑張っているかもしれないと思いたい。

単に病気を抱え、死んでいった悲しい物語じゃないのが本当に良かった。

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